StartWithでは、サービス資料の仕事を「読んだ方に商談の席に着いてもらうこと」だと考えています。契約を決めるのは商談なので、資料に全部を載せる必要はありません。
StartWithは、自社のサービス資料を34ページで作りました。そのとき難しかったのは、載せる情報より、載せない情報を決めることでした。
この記事では、StartWithの34ページを実例に、構成と、載せる・載せないの分け方と、公開前の確かめ方を説明します。
前提|サービス資料の仕事は、商談の席に着いてもらうことです
StartWithでは、サービス資料の担当範囲を次のように分けています。
資料が担当すること
- 読者に「自分の会社の話だ」と思ってもらう。
- サービスの中身と契約の形を伝えて、予算の取り方(月額なのか、初期費用がかかるのか)を確かめてもらう。
- 問い合わせか、商談の申し込みまで運ぶ。
資料が担当しないこと
- 契約条件やセキュリティの、細かい質問に答える。
- その場で契約を決めさせる。
担当範囲を「商談の席に着いてもらうまで」と決めると、載せる情報を絞れます。全部に答えようとした資料は、枚数が増えて、読み終えてもらえません。
構成|StartWithの34ページは、この順番で並んでいます
StartWithの資料は、サービスの説明からは始めません。並びは次のとおりです。
- 読者の会社で起きていること。WEBサイト運用が一人に載る理由から始めます。
- 解決のしかた。何をどの順番で直すのかと、社内に残すもの・外に出すものを示します。
- サービスの中身。引き受ける作業の範囲と、進め方、役割の分け方です。
- ご契約。契約の形と、契約の条件です。金額は載せていません。
- よくある質問と、書き手。代表のプロフィールと実績を、最後に置きます。
サービスの機能よりも、読者が社内で説明に使える材料を優先した並びです。
StartWithは、この34ページをClaude Codeで作りました。スライドのデザインも、誤字脱字のチェックも任せています。
ただし、何も指示しないと余計なものが入ります。ワイヤーフレームを作らせたときは、変な配色や影がつき、指示した内容がコメントとして残ったこともありました。
StartWithは、失敗が出るたびに、指示のルールを書き足しています。資料でも同じで、配色や影の決まりを先に渡しておくほど作り直しが減ると、StartWithは見ています。
公開前の検証でも、読み手の反応がいちばん大きかったのは、サービスの説明ではなく、冒頭の読者の話と原因の整理でした。検証のやり方と結果は、あとのH2で説明します。
分け方|資料に載せる情報と、別紙に回す情報
StartWithの分け方は、次のとおりです。
資料に載せる情報
- 読者の会社で起きていることと、その原因。
- サービスの中身と、続けると何が積み上がるか。
- 契約の形と、契約の条件。金額そのものではなく、条件の範囲までです。
資料に載せず、別紙と口頭に回す情報
- 金額。ご支援の内容によってお見積りになるため、資料には載せません。
- 契約条件の細かいところ。最低期間・更新・途中解約は、A4・1枚の条件シートにします。
- データとセキュリティの扱い。聞かれたときに、説明の紙で答えます。
- 体制の内幕。誰が何時間動くかといった話は、商談で聞かれてから答えます。
回す理由は、これらを資料に足すと、1の「読者の話」から始めた流れが切れてしまうためです。
StartWithは検証で出た質問を資料に足さず、想定問答として別にまとめました。資料そのものには足していません。
確認|公開する前に、立場の違う読み手に読ませます
資料は、作った本人が読み返しても、抜けに気づきにくいものです。StartWithは公開前に、前提を知らない読み手3人に、別々の立場を与えて読ませました。
この検証をおこなったのは、いまの34ページになる前の版です。引用する行も、当時の版のものです。
読み手はAIです。「調達済みスタートアップの社長」「上申する兼務担当者」「CFO」の役を割り当てて、別々に読ませました。
この検証で、次のことが分かりました。
- 3人とも、断らなかった。社長役は「問い合わせて確認する」、担当役は「小さく始める形で上申する」、CFO役は「条件付きで承認する」でした。
- どの行が刺さったかが分かった。3人の全員が「自分の会社の話だ」と反応し、特に効いたのは「誰かが、さぼっているわけではありません」の行と、原因を4つの「ない」に分けた整理でした。
- 出てくる質問が先に分かった。契約条件・データの扱い・体制の内幕の3つに、質問が集まりました。
上申する担当者役からは、「力不足だと思っていたことを、構造のせいにしてくれたので、社内で説明しやすい」という反応もありました。資料が商談の前に社内でどう使われるかまで、検証で見えたことになります。
社内で同じ検証をする場合は、読み手に必ず立場を与えてください。StartWithが立場を与えるのは、立場のない感想だと「分かりやすいですね」で終わり、直す場所が見つからないためです。
まとめ|作る順番
| 順番 | やること | 判断の基準 |
|---|---|---|
| 1 | 資料の担当範囲を決める | 商談の席に着いてもらうまで |
| 2 | 読者の話から構成を並べる | サービス説明から始めない |
| 3 | 載せない情報を別紙に回す | 物語の流れが切れないか |
| 4 | 立場の違う読み手で確かめる | 断られなかったか、どこで質問が出たか |
ご相談|資料づくりを任せたい場合
この作り方は、社内でも進められます。外に出すことを考えるのは、構成を組む時間が取れないときと、検証して直す手が回らないときです。
StartWithは、サイトに置くスライドやホワイトペーパーの作成も引き受けています。
ここで説明した順番は、StartWithが自社のサービス資料をつくったときの手順そのものです。ご相談は、お問い合わせからお送りください。
StartWithの支援が向く会社と、向かない会社
StartWithが資料の制作から改善まで引き受ける場合、成果が出やすい会社と、そうでない会社があります。
StartWithの支援が向く会社
- 営業が動いていて、商談の前後で渡すものを整えたい会社。
- 資料をサイトに置いて、連絡先をいただく入り口にしたい会社。
- 作ったあとも、反応を見て直しつづける予定がある会社。
StartWithの支援が向かない会社
- 単発の制作だけを求めていて、公開後に見直す予定がない会社。
- 3か月以内に成果を求める会社。
- すでにマーケティングチームがあり、実務の手だけを探している会社。
この記事のよくある質問
Q. サービス資料には、何を載せればよいですか
StartWithが本編に載せているのは、読者の会社で起きていること、解決のしかた、サービスの中身、契約の形の4つです。最後に、よくある質問と書き手を置いています。StartWithでは、サービス資料の仕事を「読んだ方に商談の席に着いてもらうこと」だと考えています。契約を決めるのは商談なので、資料に全部を載せる必要はありません。全部に答えようとした資料は、枚数が増えて読み終えてもらえません。
Q. サービス資料の構成は、どの順番で並べますか
StartWithの34ページは、読者の会社で起きていること、解決のしかた、サービスの中身、ご契約、よくある質問と書き手の順に並んでいて、サービスの説明からは始めません。StartWithは、この34ページをClaude Codeで作りました。スライドのデザインも、誤字脱字のチェックも任せています。ただし、何も指示しないと余計なものが入ります。失敗が出るたびに、指示のルールを書き足しています。公開前の検証でも、読み手の反応がいちばん大きかったのは、サービスの説明ではなく冒頭の読者の話と原因の整理でした。
Q. サービス資料に、料金は載せるべきですか
StartWithは、金額を資料に載せていません。ご支援の内容によってお見積りになるためです。資料に載せているのは、契約の条件の範囲までです。金額は、商談でお話ししています。
Q. 契約条件やセキュリティの説明は、資料に入れますか
StartWithは資料に入れず、別紙と口頭に回しています。契約条件はA4・1枚の条件シートにし、データとセキュリティの扱いは聞かれたときに説明の紙で答えます。資料に足すと、読者の話から始めた流れが切れてしまうためです。検証で出た質問も資料には足さず、想定問答として別にまとめました。
Q. サービス資料は、公開前にどう確かめますか
StartWithは、前提を知らない読み手3人に別々の立場を与えて読ませました。読み手はAIで、「調達済みスタートアップの社長」「上申する兼務担当者」「CFO」の役を割り当てています。3人とも断らなかったこと、どの行が刺さったか、契約条件・データの扱い・体制の内幕の3つに質問が集まることが分かりました。この検証をおこなったのは、いまの34ページになる前の版です。読み手に立場を与えるのは、立場のない感想だと「分かりやすいですね」で終わり、直す場所が見つからないためです。